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Vol.12 (1991/12[142])

<外国情報>
デング熱とデング出血熱(DF/DHF)−シンガポール


シンガポールではDHFが社会的問題である。1969年以来全島的蚊対策を実施し,蚊家屋指数(蚊発生家屋%)を>25から1まで低下させたが,なお流行が続き,1990年は1,733例(死3),1991年8月までに1,417(死5)が報告された。4つの型すべてが分離され,最近は2型が主流である。1990/91年の調査によれば,流行後においても半数以上がHI抗体価1:10以下である(5歳以下0%,10歳代6〜17%,20歳代34〜73%,30歳以上はぼ80%以上)。感染は若年成人群で最も多い。蚊対策の強化による感染防止が感受性者の蓄積をもたらし,流行を拡大する結果となっている。DF/DHFはアジア各国で急増中で,1987〜88年に年間発生数として,タイ17万,ベトナム35万,インドネシア5万,台湾1万など,また,1990年スリランカではDHFのみで1,119例(死60)が報告されている。DHF増加の理由は明らかでないが,各地における複数血清型の同時流行,さらに新型または強毒株の導入の可能性があげられている。

(Singapore,ENB,17,No.9,49,1991)






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