HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.12 (1991/12[142])

<外国情報>
A型肝炎の集発−カナダ


1990年3〜7月の5ヵ月間にGrand Forks北西山岳地域で14例のA型肝炎集発があった。初発例は31歳男性で,メキシコから帰国直後3月28日に発病,IgM陽性,同行した家族6人中子供2人も症状があった。この家族と日常的接触のある10家族28人中,子供の友人の母親が3ヵ月後に発症,さらに7月中に大人の発症がみられた。罹患率は大人5/17,子供2/11,合計25%であった。上記地域外の発生7例中3例は上記住民をしばしば訪問していた。他は1夫妻とその子供の保母の3例,および他の1例で,上記住民との関連は不明である。大人4人が入院,死亡例はなかった。患者発病14日以内の接触者66人に免疫グロブリン(IG)の予防投与がなされた。その後の発症はなかった。本例では,子供の発症率50%,潜伏期平均28〜30日と推定すると,無症状の子供を介して大人に感染が拡がったとみなされる。調査の結果,水系感染は考えられない。

エンデミック地域への旅行者および患者と接触した者への2週以内のIG投与が勧告された。

(Canada DWR,17−37,201,1991)






前へ 次へ
copyright
IASR