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Vol.13 (1992/2[144])

<外国情報>
貝類によるA型肝炎の集発−シンガポール


 1991年6月にA型肺炎(HA)の週平均発生数が4から16に上昇したので疫学調査が実施された。1ヵ月間に70例が報告された。15〜24歳(6.7/10万)および25〜34歳(4.9/10万)が多く,男女比は2.1:1だった。全員が入院,死亡例はなかった。地域的局在性はみられなかった。患者発生とcockles(トリガイ)またはカキの摂食の間に関連がみられた。シンガポールでは特定国から1日あたり約8トンのcocklesが輸入されている。殻を除いた冷蔵カキは輸入禁止であり,冷凍カキは細菌検査合格後に市販されている。今までに,cocklesによるHA集発は1983年161例,1985年36例が報告された。カキによるHA集発は1987年に32例,1989年に4例あった。さらに1986年にはcocklesが原因のリゾート地流行で罹患した105例の輸入例が報告された。HAVにIgG抗体保有率は約32%である。この地方の調理法の温度では貝類中のウイルスを不活化できないので,抗体陰性者がこれを摂食した場合の感染のリスクは高い。

(Singapore ENB,17,12,67,1991)






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