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1982/83年に農村地区で生ワクチン(OPV)と高力価不活化ワクチン(IPV)投与後の液性および腸管免疫が比較された。ワクチンはいずれもDPTと同時に,生後6〜12週から2ヵ月間隔で投与された。攻撃ウイルスとして全員に1型単価ワクチンが最終投与2ヵ月後に与えられ,便材料が0,7,14,21,28日に採取された。3回投与後の各型の抗体保有率はOPV90〜98%,IPV100〜98%,平均抗体価はIPVが高かった。母体からの移行抗体が低い群が高い群よりも両ワクチンに対してよく反応する傾向がみられた。ただし,1回投与2ヵ月後の抗体価の持続はOPVがよかった。ポリオウイルス分離は36/1,018(3.5%),うち野生株6(5は抗体価の高いIPV投与児),攻撃された1型ウイルスの7日以降の排出はIPV群に限られた。非ポリオウイルスが便材料の46%から分離(特に乾期1〜3月)された。OPVだけによる米国の根絶運動の成功から,WHOは現時点ではOPVの強力な投与を推奨している。ただし両ワクチンの利点を生かす併用利用についてはさらに研究の要がある。
(WHO,WER,67,24,179,1992)
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