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インドから帰国3日後に発症した1歳3ヵ月の男児からCP,ABPC,SXT耐性チフス菌を検出。5μgシプロフロキサシン(CPFX)ディスクで感受性を確認後ただちにCPFXを経口投与した(20mg/kg/日)。血中濃度の維持にもかかわらず治療効果が上がらないため入院10日後にセフォタキシムの静注を行い,3日後に解熱した。治療前,入院5日目および11日目の便から検出されたチフス菌のCPFXに対するMIC値は,前2者は0.5mg/l,後者は1mg/lで耐性化が明らかであった。本事例は英国におけるシプロフロキサシン耐性チフス菌分離の初めての事例である。
本事例で分離された上記3株はナリジクス酸(NA)に対していずれも耐性(128mg/l以上)であった。CPFXの投与に際してはNAに対する感受性も調べる必要があろう。なお1990年分離のチフス菌はすべてCPFXに対するMIC値は0.012mg/l以下であった。
(CDR,2,R12,R139,1992)
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