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Vol.13 (1992/12[154])

<外国情報>
ラボ従事者のSIV抗体陽転例2例−米国


 Simian immunodeficiency virus(SIV)はサルにAIDS様患者をおこし,HIV-2と抗原的に区別できない。SIVに暴露後抗体上昇を示した2例が報告された。

 第1例は,1990年3月,実験的に発症したサルの採血後の針を手袋を突き抜けて深く刺した。傷をヨード剤とブリーチで洗浄,dicloxacillinを経口投与した。3ヵ月後SIV/HIV-2 EIAおよびWBが陽転。培養,PCRは陰性。13ヵ月後10mlの血液をサルに接種したが,10ヵ月までサルはEIA,PCRともに陰性だった。

 第2例は,SIVに直接暴露の事実はないが,サルおよび培養細胞(安全キャビネット内)を扱っていた。保存血清検査で1990年4月以降の血清がすべてEIA,WBで陽性,次第に抗体価の上昇がみられた。PCRと培養結果は未定。

 両者とも症状はなく健康,HIV感染のリスク因子はなく,パートナーは抗体陰性。編者註は,第1例はピーク後抗体が低下しているので持続感染には至らない可能性があるが,第2例の2年の間の抗体上昇は感染の成立を意味するかもしれないと述べている。

(CDC,MMWR,41,36,678,1992)






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