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Vol.14 (1993/2[156])

<外国情報>
メジナ虫症(Dracunculiasis),1981〜1991


 メジナ虫(ギアナ虫)症はわが国では馴染みの薄い病気(小林ら,1986により国内感染例が報告されている)であるが,アフリカ,インド,パキスタンでは高率(約300万人が毎年本虫感染により影響をうけている)かつ重篤な病状をもたらし,治療困難な寄生虫病として知られており,WHOは1986年に天然痘後の次の撲滅すべき病気として取り上げている。

 本虫は主として下肢の皮下に寄生して成虫になり,そこに潰瘍が形成されるが,このように成虫感染者が水に接すると雌虫は水中に幼虫を放出し,幼虫は小型のケミジンコ類に侵入し,このような幼虫感染のミジンコが生息している水を飲む時,人は感染する。感染した幼虫は1年で成熟し,再び潰瘍を形成するのがメジナ虫症である。

 本虫の撲滅運動は1980年CDCが始めたもので,その1980年から1991年までの調査結果は表のごとくである。この結果からはカメルーン,ガーナ,ナイジェリア,インド,パキスタンなどで明らかに減少傾向を示しており,この減少に至らしめた方法は第1にはそれぞれの国の各村ごとの本症についての感染調査による実態把握と,その結果の毎月の報告,最後にその発見された患者を封じ込める作戦によっている。

 このような約10年間の撲滅キャンペーンの結果を受けて,1991年3月に本症に対する各国の撲滅マネージャーおよびWHO,UNDP,UNICEF等の国際機関の代表からなる会議が行われ,1991年から上記の調査,報告,そしてその封じ込め作戦を基盤にした国際的な本症の撲滅運動が行われることになり,1995年迄には本症を撲滅してしまうという計画が決議された。

(WHO,WER,67,No.17,121,1992 CDC,MMWR,41,No.SS−1,1,1992)



表.Reported cases of dracunculiasis, by year, 1980-1991





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