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1982〜1991年の10年間,CDSCに報告されたC.difficileの分離数,毒素検出数は年々増加した。この傾向は1992年に引き継がれ47週までの報告数は分離数1,145,毒素検出数1,430に達した。これは前年同期のそれぞれ50%,109%増である。本菌の感染は広域抗生物質(特にβ−ラクタム系)あるいは代謝拮抗剤の投与との関係が深く,患者の下痢便中のC.difficile胞子によって環境が汚染され,院内感染を引き起こした例もあった。患者は高齢者に多く,平均年齢は75歳であった。患者発生の制御には,患者の隔離,投与抗生物質の変更,職員の衛生教育等が必要である。
(CDSC,CDR,2,No.48,219,1992)
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