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Vol.14 (1993/3[157])

<外国情報>
アライグマ狂犬病の広がり,1992−米国


 野生アライグマの狂犬病は,米国中部から東南にかけての大西洋岸において流行している。しかし,1989年から北東のコネチカット,ニュージャージー,ニューヨーク,ノースカロライナへと広がり,1992年にはニューハンプシャー,オハイオで感染アライグマがみつかった。動物狂犬病の報告数は1990年の4,881から91年の6,975へと43%増加している。91年の報告のうち3,079例がアライグマであり,これは調査開始以来最も多い。アライグマ狂犬病とヒトの狂犬病の関わりは知られていないが,人口密度の高い所でのアライグマとの共生により,伝染の可能性がある。経口狂犬病ワクチンはコントロールに有効なようであり,また,狂犬病ウイルス糖蛋白を発現する組換えワクチニアワクチンのフィールドでの使用では,他の種や環境への破滅的な作用は認められず,有効なようである。

 流行対策には非常にコストがかかる(ニュージャージーの2つの地区での試算では,10万人に対し,979,027ドルの私的および公的支出が必要である)。このため,公衆衛生上の教育が重要である。

(WHO,WER,68,No.6,36,1993)






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