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HIV感染は結核菌の感染および発症の重要な危険因子である。HIV感染者で結核感染が疑われるが症状のないケース,結核を疑わせる症状のあるケースおよび活動性結核のあるケースに分けて,それぞれの診断および処置について述べている。結核の既往歴,BCG接種歴および胸部X線をとり,ツベルクリン反応を調べる。これが5mm以上の硬結がある場合,X線が正常でも,患者が結核感染に対しハイリスクグループの人々に属する場合,予防的な処置(INH±リファンピシン)をとるべきである。この際,HIV陽性者はCD4陽性細胞数の現象がみられ,遅延型反応の低下および無反応性がみられることがある。従って,ツベルクリン反応の判定は,ケースバイケースで行うべきである。また,米国では,HIV感染者において多剤耐性結核菌の流行がみられているので注意すべきである。
(Canada CDR,18−21,155,1992)
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