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Vol.14 (1993/3[157])

<外国情報>
急性B型肝炎,1991−シンガポール


 1991年に急性B型肝炎が200例散発的に発生した。前年の244例と比べ18%現象6名死亡し,致命率は3%である。若年者,特に15〜34歳に死亡率が高く,男性は女性より5倍高い。3主要人種のうち,インド系が中国系の1.2倍,さらにマレー系の1.6倍であった。大多数は地域におけるキャリアーとの接触により伝染したものと考えられる。22%は海外,主に東南アジアで感染した。12例(6%)は発症前1〜6カ月に外科的処置を施されている。HBVの年間発生率は,この10年間同じレベルだが,水平感染を防ぐために取られたさまざまな処置は有効なようである。1973年にHBV表面抗原に対するルチーンの検査が行われるようになってから,輸血後肝炎は年間13〜23例から1例へ減少し,1991年にはゼロとなった。1985年に導入されたHBVに対するワクチンプログラムは,年長児や大人の感染頻度を減少させていないようにみえる。全人口の約20%がワクチン接種を受けたと推定される。血清学的調査により,人口の2/3以上が,HBV感染に感受性と推定されるため,感染の危険性の高い大人や,ティーンエージャーにはワクチン接種がすすめられる。

(Singapore ENB,18,No.9,53,1992)






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