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Vol.14 (1993/3[157])

<外国情報>
海外旅行者のE型肝炎,1989〜1992−米国


 E型肝炎(HE)は経口感染による非A非B型で,近年までは除外診断によっていたが,最近研究室レベルで血清診断が可能となった。海外,特にインド,アフリカ,中近東,東南アジア,ロシアで流行がみられた。またメキシコでも流行が確認された。HEVはHAVと同様,糞便の経口感染,特に汚染された飲料水および食料品の生食による。潜伏期は2〜9週で,平均45日,15〜40歳代で最も頻度が高い。妊婦の致命率は15〜20%に上る。A型肝炎予防として免疫グロブリンの投与が行われるが,米国で集められたグロブリンに抗E型抗体がないため,E型に対してはこの予防投与の効果は疑問である。米国ではHEVの流行はないが,海外の流行地の旅行者でHEV感染が確認された4症例が紹介され,海外旅行者に注意を喚起している。

(CDC,MMWR,42,No.1,1,1993)






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