HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.14 (1993/3[157])

<外国情報>
Reye症候群,1990/91−英国


 Reye症候群は,小児にまれに発症する肝機能障害を伴う脳症で,致命率の高い疾病である。通常ウイルス感染症を思わせる前駆症状から回復後,数日で頭蓋内圧亢進を伴う脳症が発生する。英国では1981年から小児科学会とPHLSとの協同で調査が始まった。この10年間,頻度および年齢が徐徐に減少,低下してきている。また,Reye症候群とされたケースのいくつかは,その後,代謝異常によるものであると診断が変更されている。このような傾向は,1986年に診断がより“積極的”なものになったこと,1986年6月にアスピリンが発症と関係ありということで投薬が制限されたことなどと関連していると考えられる。1990/91年に報告された年間発症率は今までで最も低く(12例),年齢も低い(10カ月,それ以前の平均は15カ月)。しかし致命率は低下しているとはいえまだ高い(38%)。このうち2名の子供は入院前にアスピリンの投薬をうけている。両親は小児熱性疾患の際,アスピリンの投与に注意すべきである。

(CDSC,CDR,3,RNo.1,R11,1993)






前へ 次へ
copyright
IASR