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1989〜1990年に117事例の破傷風が34州から報告され,年平均0.02/10万人の発生率であった。患者の58%は60歳以上,7人(6%)は20歳以下で,うち1事例は新生児破傷風であった。成人では,80歳以上が破傷風に罹る危険性は20〜29歳の10倍以上であった。死亡率は年齢とともに上昇し,17%(40〜49歳)から50%(80歳以上)であった。罹患前に数回の破傷風トキソイドを受けていた者は11%にすぎず,31%は破傷風ワクチンの接種歴がなかった。78%は急性損傷に引き続き発生した。診療を受けた患者のうち58%のみが予防治療として破傷風トキソイドを受けていた。依然として破傷風はワクチン接種を受けていないか,または不十分なワクチン接種の高齢者の重症な疾病である。高齢者の破傷風の危険性を取り除くために,さらに努力が必要である。健康管理者は機会あるごとに患者のワクチン接種状態を調べ,必要を認めた場合には破傷風ワクチンを投与すべきである。
(CDC,MMWR,41,No.SS−8,1,1992)
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