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Vol.14 (1993/6[160])

<外国情報>
デラウェア州立公園でのセルカリア性皮膚炎の発生,1991−米国


 1991年10月19日,13〜16歳の37人の児童と先生が干潮時に貝採集地区で1.2〜6.0時間を水遊びしながら過ごした。気温は27℃で,10月としては最も高い温度を記録した日であった。その後10月20日〜28日の間に29人の児童が掻痒性皮膚炎を起こし,11人が治療のため医師を訪れた。

 11月7日,児童ならびに先生すべてに対してデラウェア州衛生部のスタッフによる検査と質問がなされた。その結果,海水に触れた後12時間以上たった人に掻痒性丘疹あるいは丘疹が起こっていたことが明らかにされた。海水に触れた37名のうち30名(81%)は明らかな病状がみられた。病状は体が海水に触れた部分(足,腕,腹部)に限られていた。30人中4人(13%)にみられた膿疱形成は恐らく小水疱の掻爬後の細菌の二次感染によるものであろう。長いパンツをはいた11人のうち5人(45%)に感染が起き,短いパンツをはいた26人では25人(96%)の感染が見られた。海水にふれなかった1人とタオルで皮膚を素早く乾かしたものは皮膚炎を起こさなかった。

 その後,そこに住む巻貝,ヨウバイの一種(Nassarius obsoletus)を調べたところ,300個中2個(0.7%)に鳥類の住血吸虫Microbilharzia variglandisのセルカリアが多数発見され,これらがセルカリア性皮膚炎を起こしたことが証明された。

 同年8月8日〜10月31日の間に,同じ場所で10組の人達が海水に触れているが,皮膚炎は発生していない。Kent郡およびSussex郡で連絡のとれた18人の医師のうち2人は1991年に12人の皮膚炎患者を診断,治療していたが,感染の場所は不明である。州衛生部は公園管理者に対して,貝採集地に入る人には防護用具(長いパンツ,腰までのブーツ,防水長靴)を付けることを警告するようアドバイスし,この警告は水が冷たくなる前の12月31日まで続けられた。

(CDC,MMWR,41,No.14,225,1992)






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