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Vol.14 (1993/6[160])

<外国情報>
麻疹ワクチン接種の効果−オーストラリア


 1992年2月16日から4月11日の間,キャンベラの小学校で麻疹の集発があった。年齢は4〜12歳。アンケート(151人中102人から完全な回答を得た)の結果,38人が罹患していた(罹患率37.3%)。うち21人が女子,17人が男子であった。ワクチン既接種者42人では罹患者は出ていない(ワクチン接種効果100%)。今回の集発では,ワクチン接種による抗体上昇の有無およびその程度のチェックや,麻疹の診断の適切性の評価等が正確に行われていないという問題点があるが,発症例はすべてワクチン未接種者(60人)から出ているので,ワクチンの効果の評価に影響しないであろう。麻疹のコントロールが可能な集団免疫を与えるためには少なくとも90%近いワクチン接種率が必要である。この小学校でワクチン接種が少なかったのは,親の宗教的,哲学的な理由からである。

(WHO,WER,68,No.17,117,1993)






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