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Vol.14 (1993/7[161])

<外国情報>
レプトスピラ症サーベイランス,1990〜1992


 病原性レプトスピラの血清型は202あるが,英国で検出されるのは16の血清型である。1990〜92年には110名の患者が確認された。患者は男107名,女3名,年齢は15〜44歳が71名,45〜64歳が34名であった。職業別では農業が50名,水との接触の多い職業が18名,カヌーの漕ぎ手が16名等であった。患者発生は7〜11月に多く,ピークは11月であった。血清型で最も多く検出されたのは,Leptospira hardjoで48例,その臨床症状は発熱31,インフルエンザ様症状16,頭痛15,髄膜炎6,黄疸1であった。L.icterohaemorrhagiaeが検出されたのは39例で,髄膜炎および黄疸が各5例,腎不全3例,黄疸と腎不全の合併症13例,死亡例3であった。本血清型によるレプトスピラ症はL.hardjoによる事例より重症の傾向にあったが,その他多くの患者はインフルエンザ様症状を示した。L.saxkoebingが検出されたのは4例で,ほとんどが発熱を伴う風邪様症状を示し,うち1名が黄疸を併発した。本疾患の治療は,軽症の場合は無治療,化学療法ではペニシリン,エリスロマイシンおよびテトラサイクリン系薬剤を投与した。

(CDSC,CDR,3,RNo.3,R47,1993)






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