HOME 目次 記事一覧 索引 操作方法 上へ 前へ 次へ

Vol.14 (1993/8[162])

<外国情報>
旧ソ連における腎症候性出血熱(HFRS)


 旧ソ連では,1978〜92年の間に68,612例(ヨーロッパ地域で65,906例,アジア地域で2,706例)のHFRSが報告されている。罹患率は,1980年が2.5,92年が4.3で増加傾向にある。85年から92年にかけて患者発生が報告された行政地区は23増えて60/89となった。しかし,この増加は診断法の普及によるところが大きい。

 アジア地域では,患者発生は秋〜冬に多く,Hantaan型が検出される。症状は重く,死亡率は10〜15%である。ヨーロッパ地域では夏〜秋に多く,Puumala型で,症状は軽く,死亡率は1〜2%である。

 1980年から自然宿主の研究のため,63種30万匹の小哺乳類を調査したところ,45種が陽性で,さらに極東地域の鳥13種も陽性であった。合計で70株以上のウイルスが分離され,4つの主要な群すべてが検出された。

(WHO,WER,68,No.26,189,1993)






前へ 次へ
copyright
IASR