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Vol.14 (1993/9[163])

<外国情報>
生カキの摂食に起因するVibrio vulnificus感染症,1981〜1992年−米国・フロリダ


 Vibrio vulnificusは肝疾患や免疫系不全を有する人々に重度の疾病および死亡をもたらす。1981〜1992年に125の感染例,うち44名(35%)の死亡例がフロリダHealth & Rehabilitive Services(HRS)に報告された。

 通常,本感染症は毎年3〜12月にわたり発生し,5〜10月にピークがみられた。72名(58%)は原発性敗血症,35名(28%)は創傷感染,18名(14%)は胃腸炎であった。原発性敗血症患者のうち58名(81%)は発症前1週間以内に生カキを摂食しており,平均年齢は60歳で,51名(88%)は男性であった。胃腸炎患者のうちの14名(78%)も生カキに起因しており,平均年齢は49歳で,7名は男性であった。

 敗血症で死亡した40名のうち35名(88%)が生カキを摂食しており,死亡例のうち9名は1992年に発生した。肝疾患を有する者の生カキに起因するV.vulnificus敗血症の死亡率は67%(30/45)で,これに比べ肝疾患のない者では38%(5/13)であった。

(CDC,MMWR,42,No.21,405,1993)






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