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1992年の米国における麻疹報告数は2,200で,1990年の流行時の27,786と比べると92%の減少となった。患者年齢も低くなり,1989年には平均12歳であったものが92年には4.5歳となり,12カ月未満の乳児が22.2%を占めた。
米国では1989〜1991年にかけて麻疹の再流行があり,55,000の患者発生と132の死亡例をみた。その後減少が続き,1993年は第18週までの報告数が80で,92年の同時期の13%である。減少の理由としては,主に1〜4歳のMMRワクチン接種率が上がったことがあげられる(1985年は61%,91年は78%)。しかし,麻疹の感受性者はまだ80〜200万人いると推測され,現在のワクチン接種率では今後の流行を防ぐのに不十分である。
また,他のワクチンに関しては接種率の低下傾向がみられており(1991年のDPT接種率は66%,OPVは51%),全体として,就学前に児童が必要なすべてのワクチン接種を終了している率は42%にすぎない。今後,ワクチン接種率を上げるために,予算の増額,行政サービスの改善,コンピューターの導入等が必要である。
(CDC,MMWR,42,No.19,378,1993)
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