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Vol.14 (1993/9[163])

<外国情報>
米国のハンタウイルス感染症−最新情報


 米国南西部で発生したハンタウイルス感染症の確認例は30例で,死亡率は67%(20例)となった。

 このうち23例が南西部のニューメキシコ,アリゾナ,コロラド州で発生している。残る7例のうち,南西部4州へ旅行して感染したと思われる例は1例のみで,6例(ネバダ2,カリフォルニア2,テキサス1,ルイジアナ1)は各居住地で感染した可能性が高い。

 ルイジアナ州の患者から得られたハンタウイルスの塩基配列を調べたところ,Prospect Hillおよび南西部で流行しているハンタウイルスのものに最も近いものの,それらとは異なることが明らかになった。さらに,ルイジアナ,テキサス等の,これまでシカネズミ(Peromyscus maniculatus;南西部で流行しているハンタウイルスの保有動物)の生息地と考えられていない地域から患者が発生している事実は,米国の南中央部に,新たなハンタウイルスがシカネズミとは異なる齧歯類に潜んでいることを示唆するものである。

 家の内部,近辺の齧歯類を駆除するよう,齧歯類に汚染された場所を清掃したり,職業上野外で齧歯類に接触する危険がある場合,また,キャンプやハイキングに際しては,十分に注意し,予防手段を講じるよう強く勧告する。

(CDC,MMWR,42,No.26,503&No.31,612,1993)






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