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Vol.14 (1993/9[163])

<外国情報>
ポリオ根絶のための予防接種拡大計画−香港


 西太平洋地区WHOは,1995年までに香港からポリオを根絶する目標を立てていたが,既にこの目標を達成した。香港におけるポリオの流行は1958年および1962年にピークがあったが,1963年に経口ワクチンにより激減し,この6年間は1例も出ていない。根絶のための戦略は,免疫,衛生教育,疫学調査および治療,リハビリテーションである。香港ではワクチンスケジュールとして,1型を生後数日で経口投与し,3種混合を以後2〜4カ月,4〜6カ月の2回投与し,ブースターとして1.5歳,6歳,11歳のいずれかに行っている。1966年に1型による大量マヒ患者が出て以来,この型を新生児に投与しているが,この免疫方法は3種混合単独より抗体レスポンスが良好である。ワクチン投与率は高く,1991年に生まれた児では80%以上,学童では98%以上である。抗体調査は1990年に始められ,1990年末の調査では,20歳以下の抗体保有率は90%以上である。しかし,高齢者では,ワクチン導入以前に生まれているため低い。

(WHO,WER,68,No.22,161,1993)






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