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1992年12月末,最初にソマリア復興活動のために米軍が入国してから4月までに48人のマラリア患者が見出された。加えて6月下旬にソマリアからの帰国軍事83名にマラリア感染が見られた。これら83名は海兵隊員21名,陸軍兵62名であり,海兵隊員全員と詳細な調査が行われた陸軍兵32名の計53名のうち43名(81%)はソマリアではモガディシオの南に駐屯していた。
53名の内訳は41名(77%)が三日熱マラリアで,9名(17%)が熱帯熱マラリア,2名(4%)が三日熱と熱帯熱マラリアの混合感染,1名(2%)が卵型マラリアの患者で,これらの患者は予防薬として38名はメフロキン,15名はドキシサイクリンを服用していた。ソマリアは三日熱ならびに卵形マラリアの低感染地帯という報告に基づき,ソマリア撤退後の両マラリアに対する再発防止のためのプリマキンの服用は要求しなかったという。
これらの患者のうち熱帯熱マラリア患者は米国への帰国後34(10〜86)日,予防内服薬投与中止後18(0〜58)日に,三日熱マラリア患者は帰国後60(12〜119)日,予防内服薬投与中止後42(0〜102)日に発症している。
このような感染者の発生した原因としては,当局側がソマリアにおけるマラリア流行の実態をよく把握していなかったことにあり,事実ソマリア南部はマラリアが流行しており,特に患者の94%は熱帯熱マラリアが占めており,三日熱(4%),四日熱(2%),卵型(まれ)マラリア患者は少ないことが報告されている。また,マラリアの流行が5〜8月,11〜12月に起こることにも原因がある。中部,北部では流行は比較的低いとされている。
(CDC,MMWR,42,No.27,524,1993)
編集子:海外におけるマラリア感染の問題は,わが国においても輸入感染症として関係者の十分な注意が必要である。
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