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1993年前半,風疹とパルボウイルスB19の検査報告数が著明に増加した。いずれの流行も回帰性があり,予想されたものであったが,B19は予想を上回る数であった。しかしこの理由は,検査機関がB19感染を診断できるようになったことが大きい。B19による典型的な発疹は臨床的には風疹と鑑別し難く,92,93年に血清学的検査を行ったところ,風疹と診断された症例の半数はB19感染であった。
妊婦における抗体保有率は風疹に対しては高いため,1993年第25週までの妊婦の風疹患者数は18である。一方,B19では205に上っている。妊娠中のB19感染は10%が流早死産を起こすが,生存児では先天異常は知られていない。
(CDSC,CDR,3,No.28,125,1993)
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