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Vol.14 (1993/10[164])

<外国情報>
アイルランドの風疹,1950〜1990年


 アイルランド共和国における1950年から90年にかけての風疹の疫学調査がまとめられた。

 同国では,1948年から風疹を届け出疾患にしており,1971年からは12〜14歳の女児に風疹ワクチンを,1988年からは15カ月児にMMRワクチンを,さらに最近では10〜14歳児にもMMRワクチンをブースター投与することにしている。風疹は,4年周期で流行を繰り返しながら減少してきた。1980年代にはワクチン接種率は85%に,妊婦の抗体保有率は87%に達したが,まだ数%の抗体陰性者と約10%の不明者がいる。1975年から90年にかけて106例の先天性風疹症候群(CRS)が報告された。CRSによる異常は聴覚が95%で,半数以上が多機能障害を伴っていた。

 CRSは1980年以来,83/84年の風疹流行時を除いて減少を続けているがまだ0ではない。今後さらに,ウイルス撲滅へ向けてワクチン接種を進めること,接種率を把握すること,CRSの登録制度を開始することが必要である。

(CDSC,CDR,3,RNo.8,115,1993)






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