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Vol.14 (1993/10[164])

<外国情報>
世界のポリオ,1992年


 WHOは,西暦2000年までのポリオ撲滅に向けて,さらに人的資源・予算の確保,OPV(経口ポリオワクチン)の配布,AFP(急性弛緩性麻痺)の監視が重要であることを確認した。緊急課題はワクチンの供給である(2000年の撲滅までには100億回分以上が必要)。

 1992年のワクチン接種率は79%で,1990年より4%減,ポリオ報告数は14,467で1991年より2%増であった。発生のなかった国は1991年より2%増の64%となった。地域ごとにみると,アフリカは1,742例(85%がエチオピア,ケニア,ナイジェリアの報告),地中海東部地区は1,478例(エジプトとパキスタンで88%),ヨーロッパは169例で,うちオランダが38%(ワクチンを拒否する宗教集団での流行による),旧ソ連が44%,東南アジアは9,184例で,インドが95%(1991年より45%増),西太平洋地区は1,890例で,中国が1,287例,ベトナムが490例,両者合わせて95%を占めた。南北アメリカ,オーストラリアでは撲滅が達成されたと考えられる。

 最近,インドでポリオの報告が増加しており,今後,ヨルダン,マレーシア,オランダで見られたようなインドからの輸入例が増える可能性が高く,要注意である。

(WHO,WER,68,No.31,225,1993)






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