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Vol.14 (1993/11[165])

<外国情報>
結核の罹患率,1992年−米国


 1992年,26,673事例の結核(TB)(人口10万当たり10.5)が米国の50州,コロンビア特別区およびニューヨーク市からCDCに報告され,これは91年(26,283事例,10万当たり10.4)の報告の1.5%増であった。これに加えて370事例がプエルトリコ(312)および米国領(58)で報告された。

 1992年には22州でTB事例数が1991年より増加し,最大の増加はバージニア州(20.6%),イリノイ州(6.5%),ニューヨーク州(ニューヨーク市を含む)(3.3%)およびカリフォルニア州(2.1%)であった。人口25万以上の都市での最大の増加はヒューストン(25.7%),サンディエゴ(19.3%),シカゴ(5.9%)およびニューヨーク市(3.5%)であった。

 1985年から1992年のTB報告事例は22,201から26,673と20.1%増であったが,この期間の最大の増加はニューヨーク州(84.4%),カリフォルニア州(54.2%)およびテキサス州(32.7%)でみられた。

 1980年から1984年に観察された下降傾向が1992年まで続くと仮定した場合,1985〜92年の間には実際の報告数よりも約51,700例少ない数が予測されていた。

 1985年から1992年のTB報告事例は非スペイン系白人およびアメリカインディアン/アラスカ原住民を除くすべての人種・民族で増加した。スペイン系で74.5%,アジア/太平洋諸島系で46.2%,非スペイン系黒人で26.8%増加したが,アメリカインディアン/アラスカ原住民で23.2%,非スペイン系白人で9.9%減少した。

 1985年に比べ65歳以上を除くすべての年齢群で増加し,最も増加したのは25〜44歳群であった。

 1985年から1992年に,米国の非都会地域でのTB発生率は人口10万当たり6.7から6.5と減少(3.0%)したのに対し,都会では17.1から22.0へと増加(28.6%)した。

 1986年から1992年に,外国で出生した人々のTB報告事例は47.6%増加し,総報告事例における割合では1986年は1.2%,1992年は27.3%となった。1992年に報告された事例中米国への入国年の判明している者(83.6%)の58%は入国後5年以内の人である。

(CDC,MMWR,42,No.36,696,1993)






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