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Vol.15 (1994/1[167])

<外国情報>
ジフテリア流行,1990〜93年−ロシア連邦


 1990年以後ロシア連邦各地でジフテリアワクチンの接種率が高いにもかかわらず,ジフテリアの流行が蔓延中で,1993年8月31日現在12,865例が報告された。

 ロシアにおけるジフテリアの報告数は,1990年の1,211(0.8/10万人)から1992年の3,897(同2.6)まで増加し,1992年の報告数は1991年の報告数の2倍以上となった。また,1993年1〜8月の報告数(5,888)は1992年同期の3倍以上となっている。

 1992年の発生数3,897のうち2,798(72%)は14歳以上で,その死亡率は5%以下であった。報告例の約98%は細菌検査によって確認された。

 ロシア連邦では子供の80%は生後1年以内に初回のDTPワクチン接種を受けているものと推定されるが,多くの子供は3回未満である。1991年のモスクワにおける子供の接種率は1回以上が69%,2回以上が43%で,3回の接種を受けたのは23%であった。しかし,90%の子供は入学時には4回以上のジフテリアトキソイドワクチンの完全接種を受けたと推定された。

 1983年,衛生疫学調査州委員会は成人に対しジフテリアトキソイドの追加接種を決めたが,接種率は低い。今回の流行を制御するために,ワクチンの接種を全年齢層へ拡大する努力がなされており,ワクチン効果があらわれてきたと推察される。

(CDC,MMWR,42,43,840,1993)






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