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Vol.15 (1994/1[167])

<外国情報>
外国旅行中のマラリア感染の予防と治療に対する勧告−カナダ


 クロロキン耐性熱帯熱マラリアの広範な広がりは,その予防と治療を著しく複雑にしている。そこでカナダ政府は旅行者に対してマラリアの感染を防ぎ,マラリアに対するリスクを少なくし,あるいはそれによる死亡を防ぐためのガイドラインとしての勧告を行った。

 その勧告内容は,海外旅行者に対してマラリアの流行地がどこにあり,どのように流行しているか等の一般的なアドバイスに始まり,伝播者である蚊が吸血にくるのをどのようにして防ぐかを説明し,マラリアの流行地をA(マラリアは存在するがクロロキン耐性マラリアはない地区)とB(クロロキン耐性マラリアはあるが,旅行者のリスクは低い地区),C(耐性マラリアがあり,そのリスクはBより高い地区)の3地区に分け(付図および付表あり),それぞれの地区での化学薬剤による幾つかの使用方法について述べている〔付表として抗マラリア剤の種類(売薬名も)とその用量(成人と子供に分けて)ならびに副作用出現の度合いがあげられている〕。最後にマラリア患者の取り扱い方が熱帯熱マラリアとそれ以外のマラリアについて触れられている。

 編集子:WHOでさえ現在流行するマラリアに対しては確実に対応のできない今日,この勧告すべてが必ずしも確実なものとは考えられないが,わが国でも毎年輸入マラリア患者が報告されており,関係者は一読を勧めたい。特に最近報告された抗マラリア剤の副作用については考慮しておくべきである。

 1993 Canadian Recommendations for the Prevention and Treatment of Maralia among International Travellers

(Prepared by the CATMAT)






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