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1992年12月〜1993年2月にかけて高雄県東北部三民郷の3村落で3〜9歳の13名の黄疸患者が発生し,17名の疑似例中11例からHAV IgM抗体が検出された。さらに近隣の病院から7名の患者が発見された。近隣の幼稚園,学校に通う子供の血清648検体も調べたところ,74例(11%)がIgM抗体陽性であった。そのうち51%が3〜6歳であった。感染率は,三民郷の就学時の児童で24%であった。
初発患者は3歳の幼稚園児と考えられ,同じ施設に通う児やその遊び仲間を通して,他の地区へヒト−ヒト感染が広がっていたものと考えられた。特に通っている施設の児童の密度,衛生環境の程度が流行の規模に関係した。
厚生省では三民郷のすべての小学生と,感染者と接触する成人に免疫グロブリンを投与し,用水とトイレの消毒を行った。近年,台湾では衛生環境が良くなり,幼い子供の抗体保有率が低下している。今回のような流行はいつでも起こりうる状況にある。児童施設の運営の改善と衛生教育がHAの予防対策である。
(台湾疫情報導,9,bW,93,1993)
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