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アルゼンチン出血熱(AHF)は,パンパに生息するキヌゲネズミ(cricetine rodent)を宿主とするJunin virusによって起こる疾患である。毎年300〜800の患者発生があり,致命率は対症療法のみの場合30〜40%,発症後8日以内に免疫グロブリンを投与すれば1%以下である。
アルゼンチン政府,PAHO(Pan American Health Organization),国連,米国陸軍は協同してJunin virusの弱毒生ワクチンを開発した。1988年〜92年にかけて100,844人のボランティアで検討した結果,AHFに対する有効性が証明され,かつ重篤な副作用は認められなかった。現在,感染予防効果・血清抗体の持続性,出現頻度の低い副作用についての検討を行っている。
(WHO,WER,68,32,233,1993)
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