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Vol.15 (1994/4[170])

<国内情報>
インフルエンザウイルスB型の分離−札幌市


 1993/94シーズンは,全国的にはAH3が小規模ながら流行の主流となっている(1993/1994シーズンインフルエンザ流行情報 第2報,インフルエンザ様疾患発生報告 第16報)。

 札幌市における今シーズンの初分離株は,1994(平成6)年2月9日採取の咽頭拭い液からのインフルエンザウイルスB型であった。患者は16歳男子で,上気道炎,咽頭痛,咳を主症状とし発熱は38.4℃であった。ウイルス分離にはMDCK,KB,RD-18Sの3種の細胞を用いた。MDCK初代で明瞭なCPEを認め,ニワトリ赤血球凝集反応陽性確認後,日本インフルエンザセンター分与の標準抗血清を用いて同定したところ分離株はB/Mie/1/93類似株であった。分離株を予研ウイルス第一部呼吸器系ウイルス室へ送付し抗原分析を依頼した結果は下表のとおりであった。

 その後,散発2例の咽頭拭い液からインフルエンザウイルスB型が分離され,いずれもB/Mie/1/93類似株であった。3月15日現在上記のB型3株以外のインフルエンザウイルスは分離されておらず,市内においてめだった集団発生もない。



札幌市衛生研究所 吉田 靖宏,安岡 直美,菊地 由生子


 1993/94インフルエンザウイルス抗原分析結果(日本インフルエンザセンター分析)





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