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Vol.15 (1994/5[171])

<外国情報>
毒素原性大腸菌(ETEC)食中毒,1993−米国・ロードアイランドおよびニューハンプシャー


 ETECによる下痢症は途上国では頻発するが,米国などではそれほどでもない。

 3月21日,ノースカロライナからロードアイランド行き飛行機の機内食の野菜サラダによると推定される胃腸炎患者が発生した。74名中47名(64%)が下痢症状を呈し,平均発症時間は41時間(12〜77時間)であった。サラダに使用した野菜などはすべて米国産であった。10人の患者からE. coliが分離され,うち3名からSTおよびLT産生性大腸菌(O6:HNM)が認められた。

 4月5日,山小屋で食事した8名に胃腸炎患者発生の報告がニューハンプシャーの公衆衛生局に届け出された。総計202名(客132名,従業員70名)の調査の結果,それぞれ96名および25名が胃腸炎症状を起こしていたことが判明した。野菜サラダが原因と思われたが,その材料はすべて米国産であった。7名の患者および1名の無症状の人からLTおよびST産生性のETEC(O6:HNM)が分離された。

 両州で分離されたETEC O6:HNMのプラスミドプロファイルは同一であった。これらの流行に関わったと思われるニンジンは同じ州で生産されたものの,単一の源ではなかった。

(CDC,MMWR,43,bT,81,1994)






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