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1993年6〜11月にかけて,オハイオ,テキサス,ニューヨークの3ヵ所の養護施設においてMycoplasma pneumoniaeによる(急性ウイルス感染,マイコプラズマ以外の細菌による感染は血清学的,病原学的に否定された)急性呼吸器疾患(ARI)の流行があった。
オハイオ:6月15日〜9月5日に,成人発達障害者庇護授産施設の職員および利用者403名中47名(12%)に急性の咳および発熱を伴うARIがみられた。平均年齢は35歳で,7名は入院を要した。また,31名はレントゲンにより肺炎像が認められた。38名の回復期血清で32倍以上のマイコプラズマCF抗体がみられ,鼻咽喉材料が得られた8例中2例からM. pneumoniaeが分離された。
テキサス:8月1日〜11月14日に,従業員4,500名の第3次養護施設(tertiary-care center)の職員215名に咳および発熱を伴う頭痛,悪寒戦慄および激しい筋肉痛がみられた。平均年齢は32歳で,43名にレントゲンにより肺炎像が観察された。また,5名は入院を要した。ペア血清が入手できた58名中47名の回復期血清でCF抗体32倍以上を示し,4倍以上の抗体価上昇が12名に認められた。
ニューヨーク:8月1日〜10月26日に,居住養護施設の自閉症プログラム従業員と利用者189名中48名(25%)にARIあるいは急性中耳炎がみられた。平均年齢は33歳で,3名は入院を要した。11名にレントゲンにより肺炎像が観察され,2名に水疱性鼓膜炎がみられた。M. pneumoniaeは5名中2名の咽喉材料から分離された。CF抗体は6名中2名の回復期血清で64倍であった。
(CDC,MMWR,42,48,931,1993)
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