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Vol.15 (1994/7[173])

<国内情報>
1994/95インフルエンザ流行期用ワクチン株


予研ウイルス第一部呼吸器系ウイルス室



 1994/95シーズンに使用するインフルエンザHAワクチンの製造株は,流行予測調査に基づいて下記の3株が選定された。

 1) Aソ連型:A/山形/32/89(H11)株

 わが国におけるAソ連型ウイルスは,1992〜94年の2つのシーズンにおいて,A/山形/32/89類似株は確認されなかったが,ヨーロッパ,アメリカではこの株に類似したウイルスが確認されていることより,平成6年度についても引き続きこの株が選定された。

 2) A/香港型:A/北九州/159/93(H32)株

1993/94シーズンは,予想した通りA/北九州/159/93(H32)類似株が主流を占めた。さらに,この株はWHOの1994/95シーズンのワクチン製造推奨株であるA/山東/9/93(H32)とも類似していることから,A/北九州/159/93株を継続して使用するよう選定された。

 3)B型:B/三重/1/93

 1992/93流行シーズンの中期以降にB/バンコク/163/90株からHI抗原性が4倍程度変異したB/三重/1/93株で代表されるウイルスが出現したが,1993/94流行シーズンにもこの類似株が検出された。しかもこの類似株が4〜5月にかけて確認されていること,また,分子進化学的解析でも,この類似ウイルスが今後も流行する可能性が示唆され,B/三重/1/93がB/バンコク/163/90株に取って代わって1994/95シーズンのワクチン株として選定された。






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