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毒素産生性の“C.ulcerans”ジフテリアと同様の症状を呈し,すでに2例の死亡が報告されている。本菌感染症の感染源として畜牛,未殺菌牛乳等が推察されるが,畜牛と関連のない事例もあるため他の感染ルートも考えねばならない。
1993年9月,咽頭炎と診断された9歳の少女からジフテリア毒素産生性の“C.ulcerans”が検出された。症状は軽くジフテリアの症状も示さなかったが,これは患者がDPTワクチン接種歴を有していたためであろう。菌分離は,患者の咽頭スワブをコロンビア血液寒天培地に塗抹,37℃,14時間培養。平板状に発育した溶血集落をチンスダール培地に接種,24時間後暗褐色の輪郭を確認し,API CORYNEで生化学性状を検査した。毒素産生性試験はレファレンスセンターで実施した。
臨床医は咽頭炎の患者−特にジフテリアの予防接種歴の無い人,海外旅行後の人,家畜と接触したり未殺菌の乳製品を飲食した経験者−に対してはコリネバクテリア感染の可能性を考えて欲しい。
(CDSC,CDR,4,Review bT,R63,1994)
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