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Vol.15 (1994/7[173])

<外国情報>
フロロキノロン耐性淋菌,1992〜1994−米国


 GISP(Gonococcal Isolate Surveillance Project)によると,1992年以前に分離されたNeisseria gonorrhoeaeはフロロキノロン(シプロフロキサシン等)に感受性(MICs:≦0.06μg/ml)であったが,その後感受性の低下(MICs:0.13-0.25μg/ml)がみられている。

オハイオ:1992年1月〜1993年6月にGISPで検査したN. gonorrhoeae450株中25株(5.6%),1993年11〜12月に某STD診療所で検出した124株中17株(13.7%)にシプロフロキサシン感受性の低下がみられた。患者およびそのパートナーはいずれも海外渡航歴がなく,地域流行と思われる。

ハワイ:1993年5月〜1994年2月に3名の患者からシプロフロキサシン耐性(MICs:2.0μg/ml)淋菌が検出された。耐性菌に感染した3名は患者本人あるいはパートナーが東南アジアからの帰国者であった。タイおよびオーストラリアから報告された耐性淋菌のMICs値とハワイで検出された淋菌のそれとは一致していた。

 米国CDCでは1989年にPPNG感染者に対してフロロキノロンによる治療を推奨してきたが,今後は,東南アジアおよびオーストラリアでの感染が推察される患者には他の薬剤による治療を考慮すべきである。なお,オハイオおよびハワイの患者はいずれもセフトリアキソンおよびドキシサイクリンで治癒した。

(CDC,MMWR,43,18,325,1994)






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