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Vol.15 (1994/7[173])

<外国情報>
麻疹サーベイランス−英国


英国では25年前から小児にルーチンに麻疹ワクチンを投与してきた。最初の15年間,投与率は低く50%程度であり,症例の年齢分布を変えるまでに至らず,5歳以下の小児の症例は高いレベルを維持していた。1986,87年の血清調査では,ほとんどの児童は小学校へ入学前に感染するか,あるいはワクチンで抗体をもっていた(ワクチン接種率70%)。最近は接種率がコンスタントに90%以上に達し,1988年に導入されたMMRワクチンは,以前麻疹ワクチン投与を受けている多くの入学前の児童も対象とした。このころから,麻疹の届け出はすべての年齢層で劇的に減少した。

 イングランドとウェールズにおける国民統計調査に報告された麻疹の症例は,1993年で計9,612例であり,前年の10,268例よりわずかに少ない。しかし,この間,絶対数は少ないが,10〜24歳の層でかなり増加し,これは主に中学校の生徒たちの集団発生による。1993年における全症例の25%は10歳以上(1987,67年ではそれぞれ12%および3%)。これはおそらく高いワクチン接種率(90%以上)の達成される以前,さらにMMRワクチンの導入される以前に生まれた生徒が感染したためであろう。唾液の麻疹特異的IgMは確認のために有用。診断やサーベイランスの精度を高める。

(CDSC,CDR,4,23,105& Review bU,R70,1994)






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