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DF/DHFが1993年は946例に減少した(1992年は2,878例)。死亡例はなかった。患者の年齢は全年齢層にわたっているが,15〜24歳の罹患率が最も高い。性比は男1.3:女1。
850例(90%)がEIAによるデング特異的IgM抗体,デングブロットテストによるデング特異的IgG抗体のいずれか,あるいは両方によって血清学的に確認された。そのどちらも陰性,またはどちらつかずだった場合にはHIテストによった。急性期血清257検体から21株のウイルス(2型14株,3型4株,1型1株,型不明2株)が分離された。ほとんどは8〜12月に発生した。
蚊家屋指数(蚊が繁殖している家屋の%)調査で,656,853家屋中3,085(0.5%)にAedes aegypti(ネッタイシマカ),6,326(1.0%)にAe.albopictus(ヒトスジシマカ)が見出された。確認患者の住居の周囲半径100mと蚊家屋指数2.0以上の地区に殺虫剤が散布された。1993年の疾患の減少に相当するAedesの減少は見られておらず,何の因子が寄与したのか不明である。
健常人ボランティア911例を対象とした1993年2〜7月の血清学的調査では,2型抗体陽性(HI10倍以上)は5歳未満1.5%,5〜14歳4.5%,15〜24歳27.6%,25〜34歳62.5%,35〜44歳77.7%,45歳以上93.3%,全年齢では39.0%であった。現在,タイで開発された4価の生ワクチンの第3相臨床試験が行われている。
(Singapore ENB,20,bS,19,1994)
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