|
妊娠中のパルボウイルスB19の感染は第2三半期における胎児死亡の重要な原因となるが,妊娠中の感染例の多くは診断されないままになっている。妊婦の感染の発生頻度を推定するため,全年齢層にわたる6,864例の血清を用いて血清学的調査を行ったところ,抗体保有率は10歳で45%,成人で60〜70%であった。感染時の年齢は10歳以下が最も多く,成人が最も少ない。妊婦のB19感染の頻度は,およそ1/400と推定された。これらのうちの9%に胎児死亡が起こるとすると,毎年,イングランドとウェールズで,B19による胎児死亡例は150以上あるものと考えられる。妊娠第2三半期に発生した原因不明の胎児水腫の症例に対しては,特にパルボウイルスB19の流行年には,B19感染の検査を行うべきである。
(CDSC,CDR,4,Review bX,R104,1994)
|