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Sabiá virusは,アレナウイルス属のTacaribe virus群の新種である。
米国で,ウイルス学者が実験室内で感染する事例が発生した。遠心機内で容器が割れてSabia virusが漏れ,その掃除をした際に感染した可能性が強い。患者は4日にわたり発熱,倦怠感,背中の痛み,首の硬直,筋肉痛を経験し,血液から分離およびPCRでSabiá virusが検出された。ラッサ熱を含むアレナウイルスに有効な抗ウイルス剤リバビリンで治療され,回復した。
この症例は,Sabiá virusの3番目の感染例である。第1例はブラジル・サンパウロ州で発生した女性で,出血熱を起こし死亡した。2例目は同ウイルスの研究中に感染した実験助手で,長期にわたるインフルエンザ様疾患を起こした。Sabia感染の分布と罹患率は不明で,宿主も特定されていない。
(CDSC,CDR,4,36,169,1994)
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