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Vol.15 (1994/12[178])

<外国情報>
少数民族および人種におけるAIDS,1993−米国


AIDSの頻度やHIVに暴露される様式は,少数民族および人種間でかなり異なる。1993年にCDCのAIDSサーベイランス症例定義が変更となり,少数民族のAIDS症例は前年より135%増加し(白人は114%の増加),少数民族の持続的な増加を示している。1993年CDCに58,538例の少数民族のAIDS患者が報告された。これは同年報告総計106,949例の55%にあたる。そのうち66%が黒人,32%がヒスパニック,1%がアジア太平洋,1%がアメリカインディアン・アラスカ原住民である。13歳以上のAIDS症例中これら少数民族は男性では51%,女性では75%を占め,13歳以下の子供では84%を占める。少数民族では成人10万人あたりのAIDS患者は111例である。このうち黒人(162),ヒスパニック(90)が最も頻度が高く,アメリカインディアン・アラスカ原住民(24)およびアジア系(12)が最も低い。さらに,黒人女性に特にAIDSの頻度が高く(73,白人女性の15倍),黒人男性(266,白人男性の5倍)も高い。また,地域差があり,黒人,ヒスパニックにおけるAIDSの頻度は北東部で最も高い。少数民族の男性のHIV感染経路は,男性間性的接触(39%)および薬物静注(IDU,38%)によるものが多い。一方,女性はIDU(47%)および異性間性的接触(37%)が多い。このうち黒人,ヒスパニックの間ではIDUが多く(60%),男性間性的接触はアジア系およびアメリカインディアン・アラスカ原住民で多い。少数民族においてHIV感染経路不明のケースが白人におけるそれより多い。

(CDC,MMWR,43,35,644,1994)






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