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Vol.16 (1995/1[179])

<外国情報>
ジフテリア−英国


 1994年9月5日,14歳の男子が重症の咽頭炎でバーミンガムの病院に入院した。入院の8日前にパキスタンから帰国しており,頚の腫れ,咽頭の腫脹,扁桃の偽膜等を示した。咽頭スワブおよび滲出液からA群レンサ球菌と毒素産生性C. diphtheriae var gravisが分離されたので,ベンジルペニシリンとジフテリア抗毒素の静注を施したがまもなく死亡した。ワクチン歴は不明であるが,おそらく未接種と思われる。患者と接触した72名の住民および病院職員に対しては,抗生剤の予防投与とワクチンの接種を行った。接触者の中に保菌者はいなかった。また,二次感染者も見られなかった。

 英国では1986〜1993年に33株の毒素産生性C. diphtheriaeが分離されている。18株はインド亜大陸,10株はパキスタンからの輸入例から分離された。同期間にジフテリアの死亡例はなかった。流行地へ旅行するワクチン未接種者はジフテリアの予防接種(1カ月間隔で3回)を受けるべきである。

(CDSC,CDR,4,No.37,173,1994)






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