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Vol.16 (1995/1[179])

<外国情報>
AIDSと家族:世界AIDSデー−英国


 WHOによる第7回世界AIDSデー(1994年12月1日)の標語は“AIDSと家族”であり,HIV感染者を家族,友人,同僚に持つHIV非感染者および感染者自身に対してHIVが及ぼす影響にハイライトが当てられている。

 WHOは,1994年中頃までに世界のHIV感染者は1,300〜1,400万人に達し,毎日6,000人が新たに感染すると推定している。

 英国では1994年9月30日までに22,581人の感染者が報告されているが,これ以外にも感染に気付いていない感染者がいるものと推定される。

 今世紀末までに世界で500万人以上の10歳以下の小児をもつ母親が,HIV感染のため死亡するであろう。

 英国では1994年10月末までに2,876人の16歳以上の女性がHIVに感染し,767名がAIDSを発症,426名が死亡した。多くの感染女性が子供を育てており,何割かの子供は垂直感染を受けていると思われる。複数の感染者を持つ家族は強い緊張を強いられている。1994年初めに感染女性から生まれたケアを必要とする子供のうち80%以上は,テムズ川流域に住んでいる。1993年7月31日までに535名の感染女性からの出産が報告された。その1年後には合計645名となり,20%の増加で,大部分はロンドンであった。妊婦感染の多い地区では,母子が小児科医,泌尿生殖器あるいは感染症専門医,産婦人科医,カウンセラーのサポートが受けられる複合クリニックが設立された。そこでは将来の妊娠に備えて,母子感染の危険を最小にする方法について話し合うことができる。

(CDSC,CDR,4,No.47,224,1994)






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