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Vol.16 (1995/2[180])

<外国情報>
麻疹予防接種拡大計画−WHO


 WHOとユニセフ等は1995年までに麻疹の患者数を90%,死亡数を95%減らすことを目標にしている。1994年4月にワシントンDCのPAHOで今後の対策強化についての非公式会議が開かれた。要旨は以下の通り。1994年初頭の状況をみる限り,現在の対策では目標を達成できないことが明らかなため,現行の戦略に加え,ハイリスク群を特定して接種する,過去の接種の有無にかかわらず,一定の年齢群の小児全員に接種するマスキャンペーンを定期的に実施するなどの方式を追加すべきである。マスキャンペーン方式は患者の多い都市部,接種率80%未満の国や地域,ポリオのマスキャンペーンを行っている国,麻疹根絶を目指す国で用いる。患者サーベイランスを行いながら対策を進める。多くの国で政情不穏による政治的支援の欠如が目標達成の障壁となる。さらにワクチンや注射器購入の資金不足,根絶の鍵となる国の医療基盤の貧困が問題である。麻疹の犠牲者の最も多い国が最優先である。マスキャンペーンでは小児1人当たり0.50〜0.75米ドルのコストがかかる。

(WHO,WER,69,No.31,229,1994)






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