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Vol.16 (1995/4[182])

<外国情報>
先天性トキソプラズマ症予防対策の実態−英国


 1992年の英国における先天性トキソプラズマ症の予防対策の実態について,各地区の感染症コンサルタントを対象にアンケート調査を行った。回答のあった187/196地区中,妊婦に対してトキソプラズマ症検診を実施していると答えたのが1地区,要請があった時に実施と答えたのが6地区あった。5地区は考慮中,55%の地区は過去に実施したことも考慮したこともなく,36%は実施しないことに決定していると答えた。予防のための衛生教育を行っているのは54%で,主に産科クリニックでパンフレットを配布していた。

 先天性トキソプラズマ症は,母子感染の自然誌,疫学,診断,検査,治療方法等についてまだ十分な知見が得られておらず,妊婦検診に組み入れるのは益よりも害の方が大きいと考えられるため,英国王立産婦人科医協会では検診を行うべきでないという勧告を出している。したがって,現在唯一の予防手段は衛生教育である。妊娠前の衛生教育を充実させること,および要請があった場合には検査が行える体制を整えておくことが望まれる。

(CDSC,CDR,4,Review No.10,R121,1994)






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