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Vol.16 (1995/4[182])

<外国情報>
拡大AIDS診断基準によるAIDS報告のトレンド,1993−米国


 1993年1月から施行された拡大AIDS診断基準により,AIDS症例が顕著に増加した。その主な理由はCD4+細胞数が減少した(T細胞数のうちCD4+が200/μl以下,あるいは全リンパ球中CD4+が14%以下)感染者を含めたためである。CD4+の減少はAIDSを規定する日和見感染が始まる前に典型的にみられる。

 1993年には米国で105,990例のAIDS(成人)が報告された。拡大基準(CD4+数,肺結核,再発性肺炎,侵襲性子宮頚癌)により診断された56,400中50,800例(90%)がCD4+の基準によっていた。これは105,990例の48%に相当した。四半期ごとにみると,第1四半期が36,290例で,第4四半期が18,360例であった。

 拡大基準を導入したことで,AIDS報告数のトレンドを評価するための方法論に変更が迫られている。診断基準が拡大されなかった場合のAIDS発症数のトレンドを述べるために,CD4+数のみで診断された症例が従来の診断基準に一致するAIDSをいつ発症するかという推定を行った。そこでAdult/Adolescent Spectrum of Disease Projectのデータに基づき,平均19カ月で従来のAIDSを発症すると推定した。その結果,1993年の従来の基準によるAIDS症例は62,000例(1四半期平均15,000例)と推定された。これは前年より3%の増加で,男性同性/両性愛者間では1%減,薬物使用者では8%増,異性間では23%増であった。

 今回基準に加えられた3つの臨床症状によって診断されたAIDS症例は,1992年は総数の4%であったが,1993年は8%を占めた。

(CDC,MMWR,43,No.45,826,1994)






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