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Vol.16 (1995/5[183])

<外国情報>
風疹サーベイランス−英国


 英国では近年風疹は減少傾向にあり,1992年にPHLSへ報告された実験室確認症例数は200であった。しかし,1993年には1,625例に増加した。流行は若い男性,特に寮で暮らす男子大学生に見られた。10〜25歳男子に高率に抗体陰性者が残っている。妊婦における風疹の報告は1991年は12例,1992年には2例であったが,1993年は25例であった。患者の特徴は若く,初妊の妊婦が多い。従来みられた自分の子供からの感染よりも,青少年および成人男性からの感染の危険性が高くなっている。先天性風疹症候群(CRS)は1991年以来14例の報告があり,母親は移民が多い。これまでのところ1993年の流行に伴うCRSの増加は見られていない。

 WHOでは,2000年までにヨーロッパから妊婦の風疹およびCRSを根絶することを目標に掲げている。現在行われている麻疹と風疹ワクチンキャンペーンで高い接種率が達成され,さらにワクチン接種年齢を過ぎてから入国した出産適齢期の女性に対する接種努力が続けられれば,英国(イングランドとウェールズ)においてこの目標は達成可能であろう。

(CDSC,CDR,4,Review No.12,R146,1994)






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