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西暦2000年までにポリオを根絶するための重要な世界的戦略は,すべての急性弛緩性麻痺(AFP)を調査し,麻痺性ポリオを正しく検出することである。
アフリカ南部では,1990年代には1歳以下の小児において3回の経口ワクチンの高い接種率(70〜90%)を達成しており,ナミビアを除いてポリオの報告はまれになっている。この低発生率が実際にWHO基準に照らして正しい発生率を表しているのか,それとも低報告率によるものかを,ボツワナ,レソト,マラウイ,南アフリカ,スワジランド,ジンバブエで調査した。
このうちマラウイのみがWHO基準に従っており,1992年以来13例のAFPを報告しているが,WHO基準に合致するものは1例もなく,ポリオウイルスも検出されていない。ボツワナ,レソト,ジンバブエではAFPの体系的調査は行われていない。スワジランドでは1980年代は毎年発生が報告されていたが,1990年からは報告がない。南アフリカでは,サーベイランスは医師の診断に基づいて行われていたが,1994年4月からWHOガイドラインに基づいてAFPの報告が行われるようになった。南アフリカで確認された野生ポリオ症例は1989年にナタール/クワズルで発生したのが最後である。
(CDC,MMWR,43,No.42,768,1994)
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