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米国ではE. coli O157:H7による下痢症の年間発生数は約2万と推定されているが,日常的に本菌の検出を実施している臨床検査室は少ない。1993年,ニュージャージー州では,E.coli O157:H7の検査を強化するよう指示した。1994年6月1日〜7月27日の間に46名のE.coli O157:H7感染者が確認された(1993年同期は5名)。感染源調査対象者22名中18名(81%)が発病1週間前にハンバーグを喫食しており,73%は家庭またはピクニックで調理した。原材料の牛挽肉の仕入れ先は多岐にわたり,共通因子は見いだせず,これら患者の多発は散発事例によるものと推察された。州の検査強化の結果,1994年には20カ所の臨床検査室からE. coli O157:H7の検出報告があった。また,E. coli O157:H7を検査対象にした臨床検査室の数は1994年7月は18カ所に増えた(1993年7月は2カ所)。
(CDC,MMWR,44,No.22,417,1995)
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